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丹波の黒豆


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 豆類の収穫の季節がやってきました。

 豆にもいろいろな種類があって、主として私たちが取り扱っている豆類は、金時豆、白花豆などのインゲン類、青エンドウ、赤エンドウなどのエンドウ類、大納言、小豆、ささげなどの小豆類、大豆類があります。黒豆はもちろん大豆類に入ります。

 これは私の推測ですが、黒豆はもともと大豆類の中で黄色や緑、茶などの色の品種から、表皮が黒く色素変異を起こしたもので、もとの品種の性質をそのまま受け継いでいます。その点から見ますと、黒豆はどうも日長に反応する大豆の品種が先祖らしい。日照時間に本能的に反応し、夏至(6月20日近辺)が過ぎ日長が短くならないと絶対開花しない晩生種。従い、その後の受粉、結実という時間経過を考えますと、遅霜や雪の被害が出やすい11月も終わりに近づかないと収穫できない。

 しかもおせち料理の需要に間に合わせるためには若干早めに収穫し、急いで強制乾燥して流通できるよう少々無理をします。

 こうした、生産過程には少しの犠牲を払わなければならない面が有りまして、実際においしい黒豆をじっくり生産しようと丁寧に仕事をすると、年が明けてからの流通という形になってしまうのです。私たちは、正直に言いますと、毎年、前年収穫の黒豆を手配し製品化しています。そのほうがおいしい製品をつくることが出来ると考えています。

 もう一つ、近年人気のある丹波の黒豆ですが、これは比較的最近、といっても60~70年くらい以前から、系統選抜と呼ばれている手法で、何代も大粒の選抜を繰り返しエリートを選抜し続けあの大粒の豆が生産できるようになりました。これはまさしく日本の育種技術の賜物です。

 私たち長年煮豆の世界で生きてきたものは、この時期になりますと黒豆のことが頭をよぎります。そして、営々と引き継がれ、工夫が継続される農業の技術とその恩恵によって支えられている豊かな食生活に感謝の思いが強くわいて来ます。