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2013年適地適作


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 弊社の原料管理の基本姿勢に「適地適作」という考え方があります。農作物は、その品種によって栽培に最も適した場所を選び、最も適した季節に栽培するのが最も道理にかなっているという考え方で、これをわたくしたちの信念にして原料調達の原則にしてきました。逆の表現では無理な場所で、無理な時期に栽培するから病害も出やすく、農薬も大量に必要になるという考えです。

 もう時間が経ちましたので、黒豆のお話をいたしますが、中国の黒豆ではとてもつらい思いをしました。実は、黒豆の原産地(中国の特定の場所)で黒豆を栽培しますと、ほとんど農薬がいらない。原産地は適地そのものだからです。12年程前、現地に研究組織を立ち上げ、品種改良にまで着手しました。選抜した品種による栽培は順調で、残留農薬の無い黒豆を日本で弊社独特の技術で製品化し、販売も拡大基調で推移していた3年目、毒入り餃子事件が起こったのです。

 そこを境に中国産原料・製品全部だめ。チャイナフリーなどという独特の表現まで業界に定着する始末。その後、弊社は黒豆輸入をストップ。しかし、その後も現地の研究組織は継続しており、現地の皆様の並々ならぬ努力により少しずつですが成果を上げています。今回の訪問ではその成果の一つである、皮も実も真緑(みどり)の大豆のサンプルを持って帰りました。豆は、オシベとメシベが非常に接近していて、人工的な交配がすごく難しい植物なのですが、交配から4代目のこの種、今後優性選抜を経てどのような結果になるのか楽しみです。